2022フィリピン大統領選挙選、現在の開票結果速報(2022,5/11現在)
6年に1度のフィリピン大統領・副大統領選挙が、2022年5月9日(月)に行われ、5月10日(火)22時の時点で、故マルコス元大統領の長男で元上院議員のボンボン・マルコス氏が3,103万8,027票を獲得、2位のマリア・レニー・ロブレド氏の1,479万1,754票を大きく引き離し、当選確実となった。副大統領には、ドゥテルテ大統領の長女で南部ダバオ市長のサラ・ドゥテルテが当選確実となっている。
また、大統領選挙に敗れたレニー・ロブレド副大統領は、支持者に対し、「ライバルのボンボン・マルコス大統領候補に大きな差をつけられながらも最後まで諦めずに応援してくれたことに感謝している。この結果にガッカリしないでください。これまでの全てのことに無駄はないし、終わったわけではありません。重要なのは、今始まったばかりであること。私は、この先も希望は捨てません。私はフィリピンが一つになるように、また、みなさんの生活を向上させるために、今後も活動を続ていきます。」と述べた。
ボンボン・マルコス氏の政策は?
ボンボン・マルコス大統領候補とサラ・ドゥテルテ副大統領候補は、選挙に当選した場合、以下の政策を公約に掲げている。
ドゥテルテ大統領の政策の引き継ぎ
大規模インフラ整備計画「ビルド・ビルド・ビルド」
麻薬犯罪の取締りなど
経済の立て直し
インフラ開発を加速してコロナ禍で疲弊した経済を立て直す
原発の導入を促進
電力料金の引き下げと安定した電源を確保の為に、1980 年代に完成したものの一度も稼働していない「バターン原発」の利用を再検討する
ボンボン・マルコス氏はどんな人?
1965年から1986年までの20年以上にわたって独裁政権を敷き、民衆の反乱「ピープルパワー革命」で権力の座を追われた 故マルコス元大統領の長男。「ピープルパワー革命」で一家は米ハワイに亡命。1991年に帰国後、2010年から上院議員を1期6年務め、2016年の副大統領選ではレニー・ロブレド氏に敗れている。
選挙後の様子
マルコス氏が圧勝となっているが、経済の回復に期待する声と、独裁者の息子が歴史を繰り返すことを懸念する声に分かれ、社会の分断が進んだように感じます。
最大の勝因は?
- 高い人気を誇るドゥテルテ大統領の長女サラ氏とタッグを組み、支持層の取り込みに成功したこと。
- SNSを駆使して、「父は実行力のある大統領だった」と父の負のイメージを塗り替えるとともに「その息子だからこそ、国民の生活を豊かにできる」と強いアピールをし、若い世代の支持を獲得したこと。
今後の見通しは?
独裁者と称された父やドゥテルテ大統領のような強さがなく、候補者討論会を相次ぎ欠席し、厳しいインタビューを回避したことから、今後は、副大統領に当選したサラ・ドゥテルテ氏の影響力が増すのではないかと見られている。マルコス氏とサラ氏のコンビがどのような政策運営をするのか、国民の関心はとても高まっています。
お祭り化するフィリピン大統領選挙
5月10日(火)22時の時点で、投票率が80.3%を超えており、前回2016年の81.95%を超えると予想されています。この投票率から、選挙への関心は日本よりも高いことがわかります。選挙キャンペーン期間になると、候補者は各地で演説会などのイベントを開催するため、支持者達は、日に日に熱狂的な盛り上がりを見せます。飲酒による喧嘩勃発を防ぐために選挙前日及び当日にアルコール類の販売が禁止されるほど。
<過去の投票率>
1998年78.75 %、2004年76.97 %、2010年74.98 %、2016年81.95 %、
*引用元:IDEA
2022年5月11日現在の開票結果による新大統領及び主な選挙結果
大統領 | ボンボン・マルコス(元上院議員)
現在の政党: Partido Federal ng Pilipinas(PFP) 生年月日: 1957年9月13日生まれ(64歳) |
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副大統領 | サラ・ドゥテルテ(現ダバオ市長)
現在の政党:Lakas-Christian Muslim Democrats (LAKAS) 生年月日:1978年5月31日生まれ(43歳) |
セブ州知事 | グウェン・ガルシア (現セブ州知事) 現在の政党:Partido Demokratiko Pilipino(PDPLBN) 生年月日:1955年10月12日生まれ(66歳) |
セブ市長 | マイケル・ラマ(現セブ市長)
現在の政党:Partido Demokratiko Pilipino(PDPLBN) |
マンダウエ市長 | ジョナス・コルテス(現マンダウエ市長)
現在の政党:Partido Demokratiko Pilipino(PDPLBN) |
ラプラプ市長 | アホン・チャン(現ラプラプ市長)
現在の政党:Partido Demokratiko Pilipino(PDPLBN) |
マニラ市長
(マニラ首都圏) | ハニー・ラクナ(現マニラ副市長)
現在の政党:Asenso Manileño Movement(ASENSO) |
ダバオ市長 | セバスチャン・ドゥテルテ(現ダバオ市長代理)
現在の政党:Hugpong ng Pagbabago(HNP) |
※2022年5月11日午前9時現在、まだ開票作業が行われています。
ボンボン・マルコス氏が大統領に就任することにより、今後どのようにフィリピンが変化していくのか、またコロナ対策についての方向性も注目されるところである。