セブ島の5スターリゾート「Jパークアイランドリゾート&スパ」で行われたクリスマスツリー点灯式。今年は韓国の有名な歌手「パクヘギョンさん(@parkheykyoung)」や幸せな豚を描くハンさんをお迎えし盛大に行われました。

クリスマスライティングは毎年恒例のイベントですが、過去2年はコロナウィルスの影響もあって大きな催しは行われていませんでした。久しぶりの歌ありダンスショーありの華やかな点灯式に、来場者だけでなくホテルスタッフも終始笑顔!


A HAPPIG STORY in Jpark (2023年1月5日まで展示)
さて、カウントダウンの声とともにクリスマスツリーが点灯されると、次は韓国人画家「ハン・サンユン氏」の個展の開催式です。この個展のタイトルは“A HAPPIG STORY”。そのタイトルの通り、彼の描く絵のモチーフは「幸せな豚のファミリー」です。

ハンさんは誰もが馴染みのあるような日常のワンシーンを、豚の家族を用いて文字のない絵日記のように描いています。特に多彩で幸せいっぱいの豚の表情と、絵全体の華やかな色づかいは観る人の心を踊らせるので必見です!

ハンさんの個展はこのJパークで来年1月5日まで開催された後、来年前半にシンガポールで開催され、そして5月以降には日本の京都での個展も予定されています。

お忙しいところ、少しだけお時間をいただいてハンさんにインタビューができたのでその一部を下に紹介しますが、まずご挨拶して驚いたのは、私たちが日本人とわかるとハンさんは急に流暢な日本語を話し始めたこと。なんとハンさん、絵を描くことを生業にしていくことを高校時代に決めて、漫画やアニメで有名だった日本に留学していたそうで日本語は不自由なく話されるのです。これは大変助かります。
なぜハンさんの絵のモチーフは豚なのですか?
実は僕は当時太っていて体重が130kgもあったのです。それと通っていた京都精華大学名誉教授で動物漫画で風刺画を描かれるヨシトミヤスオさんの影響を受けています。
ハンさんの描く豚はよくルイ・ヴィトンの柄の服を着ていますが、なぜでしょうか。
今、私が描く豚のテーマは「幸せな家族」ですが、実は描き始めたころは現代社会を風刺するものでした。ルイ・ヴィトンは現代人の欲望を皮肉るために描いたものです。しかし、私の描く豚にルイ・ヴィトンの柄がよく似合っているということでブランドから正式に10年間の使用を許可されました。

世の中を風刺するために使われていた豚が、幸せの豚に変化したのはいつごろ、きっかけは何だったのでしょうか。
若い時は画家として生活するのがすごく大変でした。絵を描く以外の仕事もしなくてはいけなかったが、絵の値段が上がり画家以外の仕事をしなくて良くなったことで生活や心に余裕が生まれた。さらに結婚をしたことで自分の心自体が幸せになったことが変化につながったのだと思います。それにどうせなら楽しく生きる方がいいですよね。

実際にハンさんにお会いして話してみると、彼の描く幸せの豚から感じるエネルギーとハンさんご自身のオーラがよく似ているということに気がつきます。それはまるで子供のような屈託のなさで、その屈託のなさによって、当時の若者の考えは豚の風刺画となって表現され、時を経て自分なりの答えを見出した結果が「幸せな豚」となって描かれているのかもしれないなぁ、とハンさんのお話を聞きながら思いました。

ハンさんの日本の活動をサポートする松尾さんは「彼の描く豚は観る人の気持ちを温かくする」と話します。オーケストラの指揮者アンドレ・リュウが「音楽は楽しむもの」と言ったように、私たち大衆にとって芸術は、小難しい考察や批評よりもまず惹きつけられることが大切ですが、ハンさんの描く「幸せの豚」は観る人を巻き込んで笑顔にします。

日本では京都の写真映えスイーツを提供するおしゃれなカフェ「ねね庵」でハンさんの「幸せな豚」を観ることができます。京都観光の際には休憩がてら「ねね庵」を訪れてみてくださいね。